様々に広がる水素の用途

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燃料電池はCO2排出を伴わないクリーンな発電法であり、水素は「究極のクリーンエネルギー」として、燃料分野での利用が注目されていますが、もともと水素は石油精製や化学原料として、化学プラントや石油コンビナート、製鉄所などで大量に使われています。
石油精製では原油中に含まれる硫黄分を取り除く脱硫用として、また石油化学製品を作る上での添加剤として使われています。製鉄所では、ステンレスなど鋼製品の表面をピカピカにする光輝焼鈍(こうきしょうどん)用に水素が添加されています。こうした用途は、いずれもコンビナートや製鉄所内にある水素源から分離回収した水素を精製して使用しているもので、いわば自己生産・自己消費です。

このほかに、シリンダーやカードルに充填した圧縮水素の外販分野があります。より大型の長尺容器をトレーラーで牽引すれば、1台で3,100Sm3の水素を運ぶことが可能です。また、民生用に液化水素をローリーで運び、顧客敷地内に低温貯槽を設置し供給する液水供給も増加しています。これら気体や液体の水素をガスメーカーから納入するほかに、ユーザーの敷地内に水素発生装置を設置し、現場で水素を製造して供給するオンサイト供給方式があります。オンサイトプラントでの水素製造方法にはメタノール分解法、都市ガス分解法、LPガス分解法、水電解法があります。ちなみにイワタニでも、メタノールや都市ガス分解法で10数基の実績があるほか、水電解法についても対応が可能です。水素ガスの代表的なユーザーは、光ファイバーや石英ガラスといったガラス分野。酸素との混合燃焼で、曇りのないクリアなガラスを焼成しています。マーガリンなどの油脂は、原料に水素を添加して化学組成を変えています。携帯電話やパソコンに使われる半導体製造時の材料ガスには、超高純度の水素ガスが利用されています。熱処理炉で金属の特性を変化させる金属冶金や、プラスチックなどの樹脂生成でも、水素は還元剤として用いられています。このほか、各種の成分分析用途もあります。

水素は燃やしても水しか生成しないため、クリーンエネルギーとして利用が注目されており、すでに宇宙ロケットは水素を燃料として使用しています。スペースシャトルや国産ロケットH-IIA、H-IIBも液化水素と液化酸素の混合燃料を搭載、爆発的な反応を推進力にかえて、大気圏外へ飛び出して行くのです。

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Author: castage

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