水素治療が持つ「抗糖化」の作用に注目

――青木先生がアンチエイジングの領域において、水素治療に関心を持った理由は何でしょうか。

アンチエイジングの分野では近年、抗酸化に加え、「抗糖化」が注目されています。糖化とは、体内で余分な糖がたんぱく質と結びつく反応のことでで、それによってAGEs(糖化最終生成物)という変性たんぱく質が生成されます。つまり糖化によってたんぱく質が劣化してしまうわけです。

以前は、糖化によって変性劣化したたんぱく質は、もう元には戻せないと考えられていました。ところが水素がこのAGEsを減らし、抗糖化に効果的であるという臨床データが出たのは、非常に興味深いことです。

まだまだデータが少なく、研究途上の分野ですが、だからこそ今後が楽しみな領域だと思います。

 

――実際に患者さんに対して、水素治療を実施することも?

そうですね。アンチエイジングドックの結果、体内の糖化度が著しく高い方には、カプセルで水素を処方しています。実際にAGEsの数値が実際に下がった患者さんもいます。本来のアンチエイジングとは、こうした体の中からケアをするべきで、美容皮膚科や美容外科的なアプローチだけでは、表層的であって本質的とは言えません。

 

――アンチエイジングの観点から、水素の持つ抗炎症作用をどうご覧になっていますか?

炎症には慢性炎症と急性炎症があります。加齢によって緩やかに症状が表れる慢性炎症をボヤとするなら、扁桃炎や盲腸、捻挫をして患部が腫れたりする急性炎症は大火事です。痛風発作などもそうですね。

急性炎症には水素が効果的であることはすでにわかっていましたが、最近では膠原病治療で有名な川口鎮司先生をはじめ、様々な研究者の手によって慢性炎症においても着実に臨床データがあがってきています。これにより抗酸化、抗糖化、抗炎症と、アンチエイジングにおいて重要な3つの領域に水素でアプローチできるのではないかと期待しています。

 

――では、アンチエイジングの分野で水素治療をさらに浸透させるために、課題となることは何でしょう?

ぎっくり腰などの急性炎症であれば、水素治療の効果は体感しやすいですが、即効性を得にくいアンチエイジングの分野では、なかなか理解が進まない難点があります。だからこそ私たちは、水素が人体にどのように働きかけているのかを、正しく伝えていかなければなりません。

たとえば抗酸化にしても、必要な酸化ストレスを残してヒドロキシラジカルだけに働きかける効果がある点など、丁寧に説明する必要があるでしょう。そのうえで、慢性炎症を抑えて老化のスピードを緩めるために、サプリメントなどで水素の摂取を続けてもらうべきだと考えます。

そうした地道な取り組み結果として、やがて水素を摂取し続けた人の加齢関連疾患の罹病率が明らかに下がる、実際に寿命が延びるなどの明確な成果が得られたとき、水素治療の認知度は大きく向上するはずです。

castage
Author: castage

        PCの施設検索バナー
臨床水素治療研究会会員医院・病院を検索 事務局にメールで直接問い合わせ