ばねの遅れ破壊に関する研究委員会報告(Ⅱ期)その1* ― 実環境で侵入する水素量の把握,水素分析法の確立 ―

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 自動車用懸架コイルばねは軽量化ニーズに対応するためばね鋼の高強度化が進んでおり近年では引張強さが1900MPa 以上のばね鋼が用いられている.その一方で腐食環境下での遅れ破壊が懸念されており,高強度鋼における遅れ破壊評価は極めて重要である.このような背景のもと,2009 6 月~ 2014 3 月の5 年間,「ばねの遅れ破壊に関する研究委員会」の活動がなされた.この委員会では,CSRT 試験およびねじり試験でそれぞれの水素感受性の違いについて,またSAE9254 SAE9254 V を添加した9254V 違いによる水素感受性の違いについて明らかにした.

 現在ばねに関する遅れ破壊試験方法はカーメーカで考え方や試験方法はまちまちであり,統一された遅れ破壊試験方法はない.また,ばねで試験を行う場合には試験応力が高いことから試験荷重が高くなるため,折損した際の衝撃力が高く,浸漬中の酸が飛散するなど安全に十分な配慮が必要となる.このような状況のもと,今後さらなる高強度化が予想され,遅れ破壊特性の見極めが益々重要となってくることからより安全で統一化された遅れ破壊試験方法が望まれている.そこで本委員会では市場環境を模擬し,ばねではなく試験片に置き換えて試験する遅れ破壊試験方法の可能性も含めて統一することを目的とする.統一化するにあたり市場で入る水素量を見越した評価が必要である.そして市場ではばねの塗装が剥がれることによって錆が発生し,腐食ピットにより応力集中が生じること,また,応力集中により水素が集積しやすくなること,また,腐食はシートと擦れて摩耗を伴いながら進むことを考慮する必要があり,統一した遅れ破壊試験方法に盛り込む必要がある.

 

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Author: castage

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