水素で製鉄、50年めど実用化 「脱炭素宣言」に137社・団体

経団連は8日、二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを提唱する「チャレンジ・ゼロ」構想に、137社・団体が参加を表明したと正式発表した。メーカーから金融まで幅広い業種の参加企業は、技術革新を通じ「脱炭素社会」を目指すと宣言した上で、具体的な取り組み事例を経団連に報告する。産業部門では排出量の大きい鉄鋼業界が2050年をめどに、石炭を使わず水素を利用した製鉄技術を開発する目標を掲げた。
経団連の中西宏明会長は同日の記者会見で、脱炭素化について「経済界としてひとつの大きな
動きに持っていきたい」と強調。政府と脱炭素化に向け必要な政策を協議していく考えだ。
鉄鋼業界では日本製鉄、JFEホールディングスなどが参加。水素活用をめぐっては、トヨタ自動車も走行時に水しか排出しない燃料電池車関連の開発を加速させる方針を打ち出した。日本鉄鋼連盟関係者は「業界を超えて水素利用の機運が高まれば、実用化の鍵となる調達コストの低下が期待できる」と述べ、業界間連携の必要性を訴えた。
金融機関でも、三菱UFJフィナンシャル・グループが19~30年度に環境分野で8兆円の資金供給目標を示すなど、3メガバンクが環境を重視する「ESG投資」を積極化させる方針を掲げた。

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Author: castage

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