水素貯蔵を示す水素化物含有金属—有機構造体の合成

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本研究では、京都大学化学研究所スーパーコンピュータシステムを利用し、水素化物イオンを含有する結晶性有機—金属構造体(Metal−organic frameworks, MOF と呼ぶ)の局所構造の同定を行った。対象としたMOFはボロハイドライドイオン(BH4−)をカウンターアニオンとして含む構造体である。BH4−の化学環境がMOFの安定性・水素放出活性を左右するため、BH4−を含む局所構造の同定にDFT計算を用いた。下記に構造同定の詳細を示す。BH4−中の水素原子の化学環境(近傍の金属イオンや有機配位子との距離・角度)はMOFの大気安定性や水素放出反応特性を左右するため、重要な構造情報である。対象のMOFの結晶構造は単結晶X線回折測定から同定した一方で、X線散乱因子の小さい水素原子の場合、一般的に詳細な位置決定は難しい。そこでMaterialStudioCASTEPパッケージを用いたDFT計算を用いて、BH4 −含有MOFの局所配位構造(金属イオン、BH4 −、有機配位子)を切り出し、構造最適化を実施した。構造最適化の結果、MOF中のBH4−は近傍の有機配位子の水素原子(C−H)と二水素結合を形成していることが確認された。これより対象のMOFが高い大気安定性を示す要因として、二水素結合によるBH4−の電子状態の変化が示唆された。また、昇温脱離法(TPD)から確認された高い水素放出反応性には、二つのBH4−が隣接している配位構造が寄与していることが示唆された。以上のように、BH4−の局所構造をDF計算から同定することは、BH4−含有MOFの安定性・水素放出特性の理解につながった。

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Author: castage

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