メタンを包接した混合ガスハイドレートの水素安定同位体分別

 ガスハイドレート(GH)が生成する際,ゲストガスの安定同 位体分別が起こる.純メタンの GH の水素同位体比の場合,包接 メタンは環境のメタンより約 5 ‰小さくなる 1).このことは, CH3D ハイドレートが CH4 ハイドレートよりわずかに平衡圧が 高く 2),GH 相に包接されにくいことを示唆する.また,純プロ パンの GH においても結晶生成時のゲストガスの水素安定同位体分別が調べられている 3).プロパンもメタンと同様に水素同位体分別が存在し,包接プロパンは環境のプロパンより約 4 ‰小さいことがわかっている.

 しかし,天然の GH は炭化水素を主体とする多成分の混合系 GH である.ガス混合比が GH 結晶を構成する大小ケージへの棲み分けを決定し,水素安定同位体分別に影響を及ぼす可能性がある.例えば,ロシアのバイカル湖で採取されたメタン・エタン系混合 GH では,結晶構造Ⅰ型より結晶構造Ⅱ型の方がエタン 水素同位体比は約 5~20 ‰小さいことが知られている 4). 本研究は,これまでに手掛けたメタン・プロパン系 5)での実験に引き続き,メタン・エタン系に着目し,結晶構造 II 型に包接されたメタンの水素同位体分別に関する情報をまとめた.

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Author: castage

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