絶縁体を入れた水素 MPD スラスタの局所最適化

MPDスラスタ(Magneto-Plasma Dynamic Thruster; MPDT) は電気推進機の1種である.他の電気推進機と比べ,比較的高い推力密度・比推力を持ち,構造が単純であるというような特徴を備えている.また大電力投入が可能であることから,将来の深宇宙探査や大規模軌道間物資輸送における主推進機として期待されている.しかし推進効率が低いうえ,熱による電極の損耗や大電力供給のための電源がないなどの問題がある.そのため実用化には至っておらず,これらを改善するための研究が進められている.我々の研究対象としている自己誘起磁場型 MPD スラスタ(Self Field MPDT; SF-MPDT)は,図1のように,棒状の陰極とそれを囲むノズルを兼ねた陽極とで構成される.作動原理は,スラスタ内に流入する推進剤を陰極と陽極間のアーク放電によって加熱・電離し,陰極周りに発生する自己誘起磁場によるローレンツ力によって推力を得る.さらにノズルによる空気力学的推力も同時に得られる.推進効率は,電流経路などの放電室内部の流れ場に依存する.我々は, 最適化手法を用いて推進効率を最大化する放電室形状の設計指針を得ることを目指している.

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Author: castage

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