ピストン変位利用コンプライアンス法による疲労き裂進展試験の提案と 超高圧水素ガス中における SCM435 の疲労き裂進展特性評価†

 今日,産業の発展に伴う化石燃料の枯渇,エネルギーの大量消費による地球温暖化が問題となっている.そのため,次世代のクリーンエネルギー源としては,燃焼によって大きなエネルギーを発生させ,しかも二酸化炭素を排出せず,水しか出さない「水素」が注目されるようになって来ている1).近年では,水素を活用する燃料電池システムの実用化も進んでおり,中でも石油の消費量や CO2 の排出量が多い自動車に代わる燃料電池自動車に対する期待は大きい2).燃料電池自動車のより一層の普及のためには,水素ステーションの増設が喫緊の課題であるが,安全性の担保と低コスト化へむけた努力が不可欠である3)5).例えば低コスト化へ向けては,現在,水素ステーション蓄圧器用材料として高強度な低合金鋼 SCM435 が候補材にあげられているが,この材料は水素感受性が高いため6),SCM435 の超高圧水素ガス中での安全性を担保した使用指針の確立が必要であり7),超高圧水素ガス中での疲労試験や疲労き裂進展試験などを行う必要がある.

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Author: castage

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